造形家 浅野祥雲の仕事

桃太郎神社(犬山)で桃太郎の 出生を考える

 桃太郎出生の地が愛知県の犬山市にある。一般的には岡山と言うことだが民俗学者の柳田邦男先生によると、このような伝説は室町時代にまでさかのぼり、また、日本全国にあり、当時は文字を読める人は殆ど無く婆さんが口づてで伝承していた。たまたま読み書きができる人物が書き留めた時にそれが後に広く伝わることになる。なのでどこそこが出生地とはいえないのだ。だから犬山に桃太郎伝説があっても不思議ではない。物語自体も子どもに受けるためにどんどん変わっていった。
 桃から生まれたと言うが、他説では桃を食べた老夫婦が欲情して子どもができたという話もある。日本には古くから竹や瓜から子どもが生まれたとか、一寸法師などの小さい人間が出てくる。また、犬や猿が人間を助ける話もある。中国では孫悟空という猿が坊主を助けるし。「昔々おじいさんとおばあさんがいました。」というのもお約束である。磐田市ではしっぺい太郎という犬が怪物を倒した話がある。
 神社内には桃太郎関連のコンクリート製の像がある。これらの像は彫刻家の浅野祥雲作である。

日本唯一の宗教公園五色園の コンクリート製親鸞聖人達 (愛知県日進市)

浄土真宗の開祖、親鸞聖人の教えを彫刻家、浅野祥雲がコンクリート製の人形達で広大な敷地いっぱいに表現した。
浅野祥雲: 1891年、岐阜県恵那郡坂本村(現中津川市)に生まれる。父親は農業の傍ら、土人形を製作する職人であった。父の仕事を継いで土人形製作を始めるが、土では大きな作品がつくれないことから、コンクリートでの作成を思いついたという。1924年、33歳のとき名古屋に移住し、映画館の看板を描くなどして生計を立てる。作品は中部地方を中心に800体近くが現存しており、ほとんどが身長2メートル以上の人物像(仏像)で、コンクリートの表面にペンキで着色され、一箇所に集中して林立することが特徴である。リアルさ・稚拙さ・ユーモラスさ をあわせ持った作風で、一度見たら忘れられない強烈さから一部で人気を博している。(Wikipedia)